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2024.02.08

シンニチ工業の紹介

SPHCとは?SPHCの特徴やSPCC・SS400との違いについて解説

SPHCとは?SPHCの特徴やSPCC・SS400との違いについて解説

SPHCとは?SPHCの特徴やSPCC・SS400との違いについて解説

 

 

 目次


 SPHCとは?SPHCの特徴

 SPHC-Pとは?

 SPHCの規格
   SPHCの質量
   SPHCの化学成分
   SPHCの機械的性質
   SPHCの板厚の種類

 SPHCとSPCC・SS400との違い
   SPCCとは
   SS400とは

 その他の類似鋼種について
   SPHD
   SPHE
   SPHF
   SAPH


 

SPHCとは?SPHCの特徴


SPHC
とは、JIS規格「熱間圧延軟鋼板及び鋼帯:JIS G 3131」に規定されている4種(SPHC・SPHD・SPHE・SPHF)のうちで、一般用とされている鉄(普通鋼)の鋼種です。
用途としては自動車・電気機器・機械部品などが挙げられます。

熱間圧延された鋼板は、焼けた状態で空気にさらされることで、表面に黒い色をした酸化被膜(ミルスケール)が発生するため、その見た目から、「黒皮(クロカワ)」と呼ばれる事もあります。

SPHCは、引張強さが270MPa以上の規定であるため、強度が求められる場所には不向きですが、反対に柔らかい材料であるため、曲げなどの加工性に優れているのも特徴です。

 


シンニチ工業では、鋼管JIS規格のSTKM機械構造用炭素鋼鋼管:JIS G 3445)やSTK一般構造用炭素鋼鋼管:JIS G 3444)などの規格ラインナップになく、一般的に流通していない特殊サイズのパイプ製造を得意としております。

当社では、これらの代替材として、用途に応じてSPHC-Pなどの材料を選定し、使用しております。

 

市中では入手する事が難しいφ165.2×t1.6といった大径薄肉の特殊サイズも製造及び在庫を保有しておりますので、特殊サイズでお困りの方はお気軽にお問い合わせください。

【お問合せ先】  WEBからのお問い合わせ

【関連ページ】  製品情報-鉄パイプ


 

SPHC-Pとは?


「SPHC-P」は、SPHCにある黒皮(酸化被膜)を酸洗(サンセン)処理して取り除いたもののことで、酸洗材とも呼びます。SPHCの後に付いている「P」が「Pickling=酸洗」を表しています。SPHCに比べて、酸洗材は塗装性が向上しているのが特徴です。

黒皮はキズや腐食を防止しますが、触れるとボロボロと剥げ落ちたり、ピンホールがあったりするため、防錆効果が高いわけではありません。基本的にSPHCを用いる際は、黒皮を落とし、塗装などの表面処理を施すことで、防錆効果を持たせていますが、その黒皮の除去方法の1つとして酸洗処理があります。

 

SPHCの規格

SPHCの規格は、JIS規格「熱間圧延軟鋼板及び鋼帯:JIS G 3131」及び「熱間圧延鋼板及び鋼帯の形状、寸法、質量、及びその許容差:JIS G 3193」によって、標準寸法(板厚・幅・長さ)、寸法許容差、質量、化学成分、機械的性質などが規定されています。

本記事では、それらの規格の中でも重要項目について纏めております。

 

SPHCの質量

SPHCの比重は7.85(密度7.85g/cm3)です。SPHCに限らず、SPH材は全て同じ値です。
鋼板の重さ(kg)=7.85 × 板厚(mm)× 板幅(M)× 長さ(M)

鋼管の場合の材料係数は0.02466です。
鋼管の重さ(kg)=【外径(mm)- 板厚(mm)】× 板厚(mm)× 0.02466 × 長さ(M)

SPHCの化学成分

単位:%

種類の記号 C(炭素) Mn(マンガン) P(リン) S(硫黄)
SPHC 0.12以下 0.60以下 0.045以下 0.035以下
SPHD 0.10以下 0.45以下 0.035以下 0.035以下
SPHE 0.08以下 0.40以下 0.030以下 0.030以下
SPHF 0.08以下 0.35以下 0.025以下 0.025以下
 *必要に応じて、この表以外の合金元素を添加してもよい。

 

上記の表は、「熱間圧延軟鋼板及び鋼帯:JIS G 3131」に規定されている、SPH材の化学成分表を抜粋したものです。

SPHCの機械的性質

SPHCの機械的性質のうち、伸びは板厚によって規格値が異なり、板厚が厚くなるほど伸びが大きくなる傾向があります。引張強さは270MPa以上の下限値が共通して設定されていますが、場合によっては上限値を定めてもよいことになっています。

種類の記号 引張強さ
(N/㎟)
伸び(%) 引張試験片
厚さ(mm)
1.2以上
1.6未満
1.6以上
2.0未満
2.0以上
2.5未満
2.5以上
3.2未満
3.2以上
4.0未満
4.0以上
SPHC 270以上 27以上 29以上 29以上 29以上 31以上 31以上 5号試験片
圧延方向
SPHD 270以上 30以上 32以上 33以上 35以上 37以上 39以上
SPHE 270以上 32以上 34以上 35以上 37以上 39以上 41以上
SPHF 270以上 37以上 38以上 39以上 39以上 40以上 42以上
 *受渡当事者間の協定によって,引張強さの上限値として次の値を適用してもよい。
  SPHC:440N/㎟、SPHD:420N/㎟、SPHE:400N/㎟、SPHF:380N/㎟

 

上記の表は、「熱間圧延軟鋼板及び鋼帯:JIS G 3131」に規定されている、SPH材の機械的性質表を抜粋したものです。

SPHCの板厚の種類

SPH材の適用厚さは以下の通りです。SPHFは適用厚さの範囲が最も狭く設定されています。

種類の記号 適用厚さ(㎜)
SPHC 1.2~14
SPHD 1.2~14
SPHE 1.2~8
SPHF 1.4~8

 

熱間圧延鋼板の標準厚さは以下の通りです。標準厚さでも、板厚によって入手性が異なります。
シンニチ工業では、鉄パイプの製造範囲はt0.8~4.0mmと、薄肉サイズを得意としております。

標準厚さ(㎜)
1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2.3 2.5 (2.6) 2.8
(2.9) 3.2 3.6 4.0 4.5 5.0 5.6 6.0 6.3
7.0 8.0 9.0 10.0 11.0 12.0 12.7 13.0 14.0
 *括弧以外の標準厚さの適用が望ましい。

 

上記の表は、「熱間圧延鋼板及び鋼帯の形状、寸法、質量、及びその許容差:JIS G 3193」に規定されている、熱間圧延鋼板の標準厚さ表を抜粋したものです。

 

 

SPHCとSPCC・SS400との違い

SPCCとは

SPCCとは、JIS規格「冷間圧延鋼板及び鋼帯:JIS G 3141」に規定されている5種(SPCC・SPCD・SPCE・SPCF・SPCG)のうちで、一般用とされている鋼種です。
SPCCは、冷間圧延鋼板の常温で圧延した鋼板であるため、SPHCとは製造方法やJIS規格が異なります。

SPHCとSPCCの大きな違いは適用厚さにあります。SPHCの適用厚さは1.2~14mmであるのに対し、SPCCは0.10~3.2mmであるため、t1.2以下の板厚が薄い鉄パイプには、SPCCを使用します。

特徴としては、SPHCはSPCCと比べて冷間圧延の工程がない分、価格が安価ですが寸法精度や外観の良さは劣ります。

SPCCの詳細情報は下記リンクからご確認ください。

SPCCとは?SPCCの特徴やSPHCとの違いについて解説

 

SS400とは

SS400とは、JIS規格「一般構造用圧延鋼材:JIS G 3101」に規定されている4種(SS330・SS400・SS490・SS540)のうちで、最も使用頻度の高い、汎用的な鋼種です。

SPHCとSS400の大きな違いは引張強さにあります。SPHCの引張強さは270N/㎟以上であるのに対し、SS400は400~510N/㎟であるため、強度が求められる箇所では、SS400などを使用します。

SS400の詳細情報は下記リンクからご確認ください。

SS400とは?SS材の特徴について解説

 

その他の類似鋼種について

SPHD

SPHDはSPHCと同じ熱間圧延軟鋼板のうち、絞り用とされている鋼種です。
SPHCに比べて、炭素、マンガン、リンの値が低く設定されています。
靱性(じんせい)に優れて加工性が高い反面、SPHCよりも引張強度は弱くなります、

SPHE

SPHDはSPHCと同じ熱間圧延軟鋼板のうち、深絞り用とされている加工性と変形性に優れた鋼種です。
SPHCに比べて炭素量が少なく、軟鋼の分類でいえば極軟鋼に相当します。

SPHF

SPHFはSPHCと同じ熱間圧延軟鋼板のうち、SPHEと同じく深絞り用の鋼種ですが、更に絞り・伸びに優れた鋼種です。
炭素量0.08%以下で、通常の鋼材ではあまり目にしない特別極軟鋼に相当します。

SAPH

SAPHとは、JIS規格「自動車構造用熱間圧延鋼板及び鋼帯:JIS G 3113」に規定されている鋼種で、その名の通り、主に自動車向けですが、電気機器・建築材料などにも用いる加工性の良い構造用の熱間圧延鋼板です。

SAPHは、引張強さに応じて4種類(SAPH310・SAPH370・SAPH400・SAPH440)の鋼板が規定されています。引張強さが高めに設定されているため、強度を維持したまま板厚を薄くして、軽量化を図るといった目的で使用する事にも適していると言えます。

 

 


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